後藤家六代栄乗は五代徳乗の嫡子であり、若年の頃より父と共に豊臣秀吉に仕え、豊臣家没落後は家康の恩顧を受けていた叔父の長乗の働きもあって、元和二年将軍秀忠の命により分銅、大判等の改役と彫物役に任命された。
本作は栄乗の作と鑑せられ、徳川将軍家の家紋を表裏共に10個ずつ散らしてあり、葵紋の茎が長く古調で精緻な彫刻であり、金の色絵も厚く、品格と時代の古さを兼ね備えた栄乗極めの優品である。